関節機能改善剤「ジョイクル®関節注30mg」について
ジョイクルは、ヒアルロン酸に抗炎症薬ジクロフェナクを化学結合させた薬剤で、変形性関節症の治療薬として2021年3月に承認され、5月より上梓されています。注射剤として4週間に1回、関節腔内(膝関節、股関節)へ投与し、加水分解によりジクロフェナクが遊離されるため、内服薬に比べ全身曝露量が少なく、全身性副作用のリスクが低いと考えられていますhttps://www.ono.co.jp/news/20210519.html。
しかし、ショック、アナフィラキシーが複数発現していることを踏まえ、2021年6月、厚生労働省は添付文書の「警告」を新設し、「重要な基本的注意」等を改訂するとともに、「安全性速報(ブルーレター)」により、医療関係者等に対して速やかに注意喚起を行うよう製造販売業者に指示しましたhttps://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073061_00004.html。
関節機能改善剤において、変形性股関節症の適応を持つ国内初の医薬品となりましたが、当クリニックでも上記のことから慎重に適応を見極めた上、注意喚起に則り少数例に適用を開始しているところです。幸い、顕著な症状の改善がみられており、比較的軽度の患者さんには有望な選択肢と思われますので、ご希望のある方はご相談ください。
ジョイクル®の使用方法~股関節内注射の手順と留意点~より引用
以下は自験例です。