関節リウマチの症状と診断・治療について
一般に体のふしぶし(関節)に痛みとこわばりが発生する病態をリウマチ性疾患と呼びますが、リウマチとは狭い意味では関節リウマチのことを指す場合が多くなっています。関節の内側にある滑膜と言われる部分が炎症を起こし、関節の腫れや痛み、ひいては変形をひきおこす疾患です。原因ははっきりとわかっていませんが、自己免疫疾患の一つとされています。中年女性に多く発症しますが、男性、老年期、小児期にも発症がみられます。
関節リウマチの初期症状として、朝に手を握ることが困難になったりする「こわばり」の症状がでてきます。昼頃には症状が改善していることが多く、これが続くようになると、左右対称あるいは交互に全身の関節の腫れや痛みが起こり、病期が進行していきます。さらに進むと関節の破壊、変形を起こし、日常生活に大きな支障がでてきます。
診断・治療・寛解について
診察による関節所見、超音波エコーなどを用いた滑膜炎症の評価、症状の持続期間や、血液検査などを総合して、リウマチの診断をおこないます。
治療はメトトレキサート(MTX)をはじめ、抗リウマチ薬など(csDMARDs)による薬物治療が標準的になっています。生物学的製剤など(bDMARDs)の注射・点滴による治療や、やや高額になりますがJAK阻害剤(tsDMARDs)のように生物学的製剤に匹敵する効果を持つ内服剤もあります。関節破壊が進行し、日常生活に大きな支障が出る場合は人工関節置換術などの手術による治療を行うこともあります。
関節リウマチは、根治は難しいものの、症状の進行を遅らせたり、痛みを和らげたりすることができます。
自・他覚症状がほとんど消失し、コントロールできている状態を寛解と呼び、
1.関節の痛みや腫れがないこと(臨床的寛解)
2.骨・関節破壊の進行が抑制されていること(構造的寛解)
3.ADL(日常生活動作)、QOL(人生の質)が維持、改善されていること(機能的寛解)
の3つが重要です。
早期診断・早期治療が大切です
早期に診断・治療を開始することが、寛解導入を達成するために極めて重要ですので、両手足のこわばり、腫れのほか、リウマチかどうかご心配、ご不安な症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
リウマチ治療の終着点 寛解そのあとに
関節リウマチに対する免疫抑制剤の減量・中止の基準は? 主なガイドラインには減量は良いが、中止はしないほうがよいとある
リウマチの薬をやめられるのかというご質問をよくお受けします。個々の状況によりその答えは異なります。お気軽にご相談ください。