運動器不安定症とは
Ⅰ 定義
高齢化にともなって運動機能低下をきたす運動器疾患により、バランス能力 および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態
Ⅱ 診断基準
下記の、高齢化にともなって運動機能低下をきたす11の運動器疾患または状態の既往があるか、または罹患している者で、日常生活自立度ならびに運動機能が以下の機能評価基準に該当する者
機能評価基準
1 日常生活自立度判定基準ランクJまたはAに相当
2 運動機能:1)または2)
1)開眼片脚起立時:15秒未満
2)3m timed up-and-go(TUG)テスト:11秒以上
高齢化にともなって運動機能低下をきたす11の運動器疾患または状態
- 脊椎圧迫骨折および各種脊柱変型(亀背、高度腰椎後弯・側弯など)
- 下肢骨折(大腿骨頚部骨折など)
- 骨粗鬆症
- 変形性関節症(股関節、膝関節など)
- 腰部脊柱管狭窄症
- 脊髄障害(頚部脊髄症、脊髄損傷など)
- 神経・筋疾患
- 関節リウマチおよび各種関節炎
- 下肢切断後
- 長期臥床後の運動器廃用
- 高頻度転倒者
注:日常生活自立度ランク
J:生活自立 独力で外出できる
A:準寝たきり 介助なしには外出できない
1 開眼片脚起立時間
靴、あるいは素足で滑らない配慮のもと、ある程度の固さのあるしっかりした床で行います。転びそうになったら即座につかまれる物のそばで実施します。検者が傍に立ち、倒れそうになったら支える体制でも構いません。
両手を腰に当て、片脚を床から5cm程挙げ、立っていられる時間を測定します。大きくからだが揺れて倒れそうになるか、挙げた足が床に接地するまでの時間を測定します。立ち足がずれても終了とします。
1~2回練習させてから左右それぞれ2回ずつ測定を行い、最もいい記録を選びます。最長2分あるいは3分まで測定した報告がありますが、不安定症の検査としては60秒程度まで測定すれば十分でしょう。
2 3m Timed up and go test
椅子に座った姿勢から立ち上がり、3m先の目印点で折り返し、再び椅子に座るまでの時間を測定します。危険のない範囲で出来るだけ速く歩くように指示します。転倒に対する予防がとくに大切で、医療・介護施設職員が付き添って歩くなどの予防策が必要です。
以上、https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/mads.htmlより抜粋引用
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