ごあいさつ’(令和7年1月)
平素より格別のご指導、ご鞭撻を賜り、誠にありがとうございます。
私は四日市市で育ち、東海高校を卒業後、藤田保健衛生大学(現在の藤田医科大学)を経て、1993年に医師としての歩みを始めました。名古屋大学大学院で整形外科の研究を深めた後、名古屋大学整形外科関連病院での勤務を経て、愛知県を主に20年以上にわたり整形外科専門医として活動してまいりました。この間、特に関節リウマチ治療のパラダイムシフトが訪れる前の2004年以降は、名古屋医療センターで生物学的製剤やJAK阻害剤の治験を担当し、難治性の関節リウマチに対する新しい治療法を模索してきました。この経験は、私が関節リウマチを自身の専門領域と定める大きな契機となりました。
また、私はこれまでに手術を通じて多くの先輩医師から指導を受け、外傷骨折手術に始まり、リウマチ関節外科医として、変形性関節症や骨壊死に対する人工関節置換術、リウマチ性疾患に伴う手術を専門に積極的に取り組み、患者さんの生活の質向上を目指してきました。同時に後輩医師を指導し、育てることにも力を入れてきました。彼らが臨床現場で患者さんに最良の治療を提供できるよう、知識や技術を伝えることを心掛けてきました。この経験は、私自身の成長にも繋がり、医師としての責任と使命を再確認する貴重な機会でした。長年外科医として骨に直接触れ、治療にあたる中で、骨粗鬆症の予防や骨折対策の重要性を痛感し、常に最新の知識と薬剤を駆使しながら治療実践してきました。このような経験から、包括的に患者さん一人一人に寄り添った診療を提供することが、私の医師としての矜持となり、患者さんの信頼に応えるための礎となっています。
当クリニックは、昭和46年に先代院長が開設した「きだ整形外科」に端を発し、四日市市内最古の整形外科診療所として、地域の皆さんに支えられて半世紀以上の歴史を刻んでまいりました。高度経済成長期の交通事故や労働災害が多発していた時代から、現代の少子高齢化社会における新たな医療ニーズに対応すべく、診療内容を進化させてきました。私が当診療所を継承してから6年、そして5年前に診療所名を「みえロコモリウマチクリニック」に改名し、フレイルやロコモティブシンドローム(ロコモ)といった高齢者特有の疾患への対応と、私が専門とするリウマチ性疾患に特化した治療を提供する方向へと舵を切りました。
特にこの6年間、クリニックは変革を遂げました。コロナ禍を経て、従来の看護師主導の入院患者さん中心の有床クリニックから、現在は療法士主導の外来患者さん中心の無床クリニックへと大きくシフトし、リハビリテーションの重要性が高まりました。療法士によるリハビリを通じて、フレイルやロコモ患者さん、リウマチ患者さんの機能回復と生活の質向上を目指す取り組みを強化しています。また、働き盛り世代や若年層、さらには小児患者さんの運動器疾患やスポーツ外傷の治療にも積極的に対応し、さらに充実した医療を提供していきます。
現代の整形外科においては、デジタル技術の導入が不可欠です。診療効率の向上と患者さんへのサービス提供の質を高めるため、最新の技術を積極的に導入しています。リハビリテーションのモニタリングツールや、遠隔診療、健康管理データベースの活用など、次世代の整形外科クリニックに向けて、患者さんの利便性向上とより効果的な治療提供を目指しています。デジタル化を見据えた医療の進化に対応し、患者さん一人一人に最適なケアを提供できるよう努めてまいります。
私たちは、予防と改善を主眼に、患者さんの生活の質を守り、向上させることを使命としております。「相談してよかった」と感じていただけるようなかかりつけのクリニックを目指し、地域医療に貢献し続けていく所存です。また、このような方向性に共感し、共に成長できる若い力を歓迎しており、今後も新たな仲間を迎え入れて、さらに充実した医療の提供を目指してまいります。
以上、いまだ至らぬ点も多くございますが、今後とも、変わらぬご指導、ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和7年1月